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一般小児科

General Pediatrics

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かぜ

子どもの病気の中でも一番多いのが「かぜ」で鼻や喉に感染がおこり炎症を起こします。
症状は咳、鼻水、鼻づまり、のどの痛みや発熱等で、原因の9割以上がウイルスによるもので抗生剤は効きません。(抗生剤が効くのは「細菌」に対してだけです)かぜの原因ウイルスは約200種類いると言われており、症状の出方も様々で、ごく一部のウイルスにしか検査はありません。また、症状を少しでもやわらげてあげたいところなのですが、かぜの咳や鼻水に対して有効性が証明されているお薬はなく、粘っこい鼻をさらさらにするために痰切りのお薬を飲むことや、ご自宅で鼻水を繰り返し吸引してもらうこと、しっかりと休んでゆっくりすることが一番の治療になります。

ほとんどの場合、鼻水、咳は1週間ほどでピークを越えて徐々によくなります。(自分の力で治すので「日にち薬」と言います)ぐったりしていて水分摂取があまりできないとき、耳の痛みが出てきたり、痰のからんだ咳がひどいときには早めに診せていただけると安心です。

下痢

子どもの病気の中でもかぜの次に多いのが下痢です。
下痢の場合は、便の状態をよく観察しておいてください。少し柔らかい程度の下痢か、水のように流れるほどなのか、血液や粘液は混じっていないか、腐敗したような臭いはないか、白っぽくないかなどを確かめましょう。
血便、粘血便(粘液の混じった血便)、白色便、食物が全く消化されていない便などであれば、それを医師に見せてください。また、機嫌はどうか、ぐったりしていないか、嘔吐はないかなどもよく観察しておいてください。

嘔吐

嘔吐は、胃腸の食物を消化する能力が落ちているため「食べたり飲んだりした物」を胃腸が拒絶して起こる反射です。
新生児期から生後2−3か月ごろまでは溢乳(いつにゅう)と言って、飲んだ母乳やミルクを垂れるように嘔吐することがあり、しっかり体重が増えていれば特に問題はありません。乳児期以降で最も多い嘔吐の原因はウイルス性胃腸炎(胃腸かぜ)になります。ノロウイルスやロタウイルスが有名ですが、それ以外にも胃腸炎を起こすウイルスはたくさんあります。
立て続けに嘔吐をするときには飲み物も控えて、30分以上嘔吐をしないのを確認してからスプーンなどで少しずつ経口補水液や清涼飲料水をあげるようにしてください。受診の際には吐いた回数やおしっこの出た時間(おむつを替えた時間)などを記録しておいていただけると、脱水を評価する上でとても有用な情報になります。吐き気止めの座薬は実はそこまで効果があるわけではなく、日にち薬になることが多いのですが、点滴が必要かどうかを判断するために診せていただけると安心です。
吐いた後も、少しずつ水分を摂って、あまり苦しそうでなければ、さほど心配はないですが、嘔吐と共に顔色不良となりぐったりする、火がついたように激しく泣く、血便等が見られる時は「腸重積症」という怖い病気の可能性があります。
「腸重積症」は生後3ヶ月から2歳未満のお子さんにみられることがあり、腸が腸の中にどんどん入り込んでいってしまい、病院での緊急処置が必要になることがあります。

発熱

子どもが熱を出すと心配になりますが、小さな子どもはまだ体温調整機能が発達途中ですので、小学校に入るくらいまではよく熱を出すことがあります。
発熱は感染症から身体を守ろうとする防御反応ですので、やみくもに解熱剤を使う必要はないのですが、ぐったりして水分が摂れない、ゆっくり眠れない時には、解熱剤を使ってあげることが大事になります。
「熱性けいれん」という発熱に伴うけいれんが、子どもの10人に1人弱ぐらい認められますが、解熱剤では予防できないことがわかっていますので、熱性けいれんを起こしたことがあるお子さんも、ぐったりなどが無ければ解熱剤は使用しなくても大丈夫です。
「熱性けいれん」について詳しくお聞きになりたい時は、こどもフロア長 底田の外来を受診して頂けたら、しっかりと説明させて頂きます。

アレルギー性鼻炎

花粉やダニなどに対してアレルギー反応が起こり、透明な鼻水がたくさん出る状態がアレルギー性鼻炎です。花粉にアレルギーがあって、くしゃみ、目のかゆみなどを伴ってくると「花粉症」と呼ばれます。かぜの鼻水と違って、アレルギー性鼻炎に対しては内服や点鼻薬が有効なことが多く、かぜとの鑑別になります。こどもフロアではスギ・ダニに対する「舌下免疫療法」というアレルギー性鼻炎の治療が可能です。舌下免疫療法は長期に渡る治療が必要なかわりに、効果が高く鼻炎症状で悩まれている方は一度ご相談ください。舌下免疫療法中は月に少なくとも月に1回の受診が必要ですが、小学生以上のお子さんで症状が安定していればオンライン診療による定期受診も可能です。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎はアレルギー体質や皮膚の乾燥しやすい体質が関係していると言われています。保湿剤を軸に乾燥したお肌に対するメンテナンスをすることが最も重要で、皮膚の状態に応じてステロイドを使用します。特定の食物を摂ることによってアトピー性皮膚炎が発症すると言われていた時期もありますが、現在はそのような考え方は否定的となっています。逆に、アトピー性皮膚炎の湿疹が続くとそこに接触した食事の成分が食物アレルギーを引き起こすこと言われており、特に乳児期早期から湿疹が出ている児はできるだけ早い治療開始が望まれます。

食物アレルギー

たまご、小麦、牛乳などを食べた後にじんま疹が出たり、口の周りが赤くなったり、目が充血して赤く腫れたり・・などが食物アレルギーの症状になります。症状が強く出る場合は完全に除去した食事にしなければならないこともありますが、「疑わしいから」という理由だけで除去することはすすめられません。血液検査によってある程度の判断は可能なのですが、やみくもにたくさんのアレルギー検査を行うと必要以上の食事制限をすることにつながりやすいため、症状などから十分に検討して最小限の検査をすることがすすめられています。

夜尿症(おねしょ)

5歳以上の子どもが1か月に1回以上のおねしょをする状態が続いていれば、夜尿症と診断されます。夜尿症に対しては夕方以降の水分制限や塩分の制限をするなどの環境調整をまず行って、それでも続く場合には内服薬の治療やアラーム療法を行うことになります。「夜尿症診療ガイドライン2021」では内服薬の治療とアラーム療法はいずれも第一選択の治療として推奨されており、こどもフロアではどちらも指導が可能です。お泊まり学習などの行事が近い場合は、できるだけ早めにご相談ください。

とびひ

細菌が皮膚に感染することで発症し、人にうつる病気です。
かきむしった手を介して、水ぶくれ(水泡)があっという間に全身へ広がる様子が、火事の火の粉が飛び火することに似ている為、「とびひ」とよばれています。
とびひは、虫刺されや汗疹を掻いたり、小さな怪我でできた皮膚の傷に細菌が入り込み、感染する事で発症します。
とびひになっている部分を清潔にした上で、抗生剤の塗り薬やひどい時には飲み薬が必要になります。

手足口病

夏風邪の一種で、手、足、口の中に水疱ができるのが特徴です。
かつては夏にしか流行しませんでしたが、今はどの季節でもみられるようになりました。
原因のウイルスにはいくつも種類があって、流行するウイルスによって水疱の程度などが異なることがわかっています。
生後6ヶ月くらいから、4~5才頃の乳児に多い病気です。咳や唾液などの飛沫感染のほか、便からもウィルスが排泄されて口から感染したりします。
手足や口に特有の発疹が出ます。手のひら、足の裏、口の中に、周辺が赤くて真ん中が白い、米粒大の水疱ができます。
足の甲やおしりにできることもあります。痛みやかゆみはありませんが、足の水疱が少し痛がゆいこともあります。

ヘルパンギーナ

手足口病と同じように夏に多いウイルス性の咽頭炎です。高熱が出ることが多く、のどに特徴的な発疹が見られる時にヘルパンギーナと診断します。
ヘルパンギーナを起こすウイルスにはいくつかの種類がありますが、いずれも対症療法によって数日で改善します。のどの痛みが強く水分や食事が摂りづらいときには、解熱鎮痛薬の使用が有効です。

水ぼうそう

水ぼうそうは水痘帯状疱疹ウイルスの感染によって発症します。
ウイルスは空気感染、飛沫感染、接触感染のいずれかの方法で感染していきます。
体のいたるところに発疹が出ますが、発疹の数や程度には個人差があり、ワクチンを接種していると軽症で治ることが多いです。
水ぼうそうに対して抗ウイルス薬を使用するべきかどうか、実はまだ結論が出ていません。
ワクチンを接種していなかった場合、年長児や免疫力の弱い病気を持っている子どもでは重症化することがあるので、ワクチン接種をお勧めします。

おたふく風邪

ムンプスウイルスというウイルスの感染が原因になります。
耳下腺や顎下腺が腫れることで丸顔のおたふく面のようになるので、おたふく風邪と呼ばれています。
症状は風邪のような咳・鼻水、発熱、耳の前下にある唾液腺・耳下腺・下あごの下にある唾液腺・顎下腺の腫脹などです。
最初は左右どちらかが腫れて、何日か経って両側が腫れる場合はおたふく風邪の可能性が高くなります。
ムンプスウイルスに対して使用できる抗ウイルス薬はありませんが、腫れは1週間くらいで引きます。
合併症として髄膜炎や難聴、卵巣炎・睾丸炎などがあり、任意接種にはなりますがワクチン接種をお勧めします。

はしか

はしかは麻しんとも呼ばれ、麻しんウイルスが原因になります。
かつては「命さだめ」と言われ、重篤な合併症が多く恐ろしい病気として知られていましたが、ワクチンにより重症化する患者さんは著しく減りました。
今でもワクチンの効果が薄れてきた成人がかかったり、海外から流入されることもあるため、ワクチン接種が極めて重要な病気のひとつになります。
症状は高熱と強い咳、鼻水、結膜炎、口の頬の内側に現れる「コプリク斑」と呼ばれる白い発疹です。発熱して数日後に全身に発疹が広がります。
肺炎や脳炎など重篤な合併症も高率で発症するため、ワクチン未接種で感染した場合には入院が必要となることもあります。

頭痛

日本では1000万人以上が頭痛を持っていると言われています。子どもも例外ではなく、小学生ぐらいからはっきりと頭の痛みとして自覚できるようになります。
頭痛のために学校を休まなくてはならなくなったり、楽しみにしていた遠足に行けなくなったりすることがないように、時にはお薬の力を借りることも重要です。
また、片頭痛は若年女性に多く、お母さんが頭痛で苦労されている話もよく聞きます。
市販薬を繰り返し使うことが頭痛を悪化させることもありますので、どうぞお気軽にご相談ください。

てんかん

子どもが高熱のときにけいれんを起こす「熱性けいれん」は乳幼児期によくみられ、子どもの10人に1人弱は1回以上の熱性けいれんを起こします。
熱性けいれんは小学生以降になるとほとんど見られなくなり、「てんかん」とは異なる病気です。
てんかんには全身をガクガクするけいれん発作以外にもぼーっとするだけの発作など、様々な発作があります。
こどもフロアではてんかん専門医である底田医師が、クリニックで対応可能なてんかん患者様の診療を行っています。

発達が気になる

子どもの発達には個人差があって、数ヶ月、数年にわたって経過を見ることが大事です。
その一方で、血液検査や頭部MRI検査など専門的な検査が早めに必要になることもあります。
お子さんを見ていて、発達のことで気になることがあればいつでも相談してください。

睡眠障害

子どもがなかなか寝付かない、夜中に起きて朝まで寝てくれない、これらは決して「当たり前」のことではありません。
子どもの睡眠障害は早いと1歳未満から認められることがあり、成長発育に影響があるだけではなく、お母さん(お父さん)の体力と心の健康にも大きな負担になります。
睡眠環境の調整だけで改善が見られることもあれば、お薬が必要になることもあります。今は小児用の優しい睡眠導入薬もありますので、「子どもに睡眠薬なんて・・」と思わずに一度ご相談いただけますと幸いです。