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アレルギー

Allergy

アトピー性皮膚炎Atopic Dermatitis

小児のアトピー性皮膚炎について

アトピー性皮膚炎は、ざらざらしたかゆみのある湿疹が、良くなったり悪くなったりを長く繰り返す病気です。

皮膚のバリア機能が低下し、体の外から刺激やアレルゲンなどが簡単に皮膚の中に入ってきてしまい、その結果、炎症が起きて様々な症状があらわれます。

荒れている皮膚には炎症やアレルギーに関わる細胞が集まっていて、そこに食べもの・花粉・ダニなどのアレルゲンがくっつくと体が敵と勘違いしてしま い、それらに反応するIgE抗体が血液中に作られてしまいます(経皮感作)。その結果、食物アレルギー、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎など、他のア レルギー疾患を引き起こすことがあります(アレルギーマーチ)。

お肌をきれいにコントロールすることは、これらを予防するのにとても重要です。

アトピー性皮膚炎の治療

治療の基本は、「スキンケア(保湿)」「お薬による治療」「悪化させる原因の検索と対応」の3つです。治療が進歩し、様々な薬の選択肢が出てきました。

  • ステロイド外用薬
  • 免疫抑制外用薬(非ステロイド)
  • 生物学的製剤(注射)

多くの場合、まずはステロイド外用薬から始めます。
治療ゴールは、「スキンケアのみで皮膚をいい状態に保てること」。
炎症がしっかりしずまるまで継続し、ぶり返さないことを確認しながら減薬します。ステップダウンの目安は1~2ヶ月単位です。
火事に例えることが多く、火種が残っているのに消火活動をやめると、そこからまた火が起こってくるイメージです。

その他のお薬の使い方などについては、診療時にご説明させていただきます。

ステロイドの副作用

ステロイド外用薬は、正しく使えばとても優れたアトピー性皮膚炎のお薬です。その副作用については誤解が多く、SNSやネット記事には誤った情報も溢れており、漠然と不安を抱いている保護者様もおられることでしょう。
内服薬では全身投与となるため、「長期使用」では副作用があらわれます。
小児のアトピー性皮膚炎に使うのは外用薬であり、そのような副作用は認めず安心して使用できます。

小児の食物アレルギーFood Allergy

食物アレルギーとは?

特定の食品を食べて30分~1時間以内(遅くとも2時間以内)に、じんましん、呼吸器症状(咳・くしゃみ・ぜーぜー)、消化器症状(嘔吐・下痢・腹痛)などを引き起こす病気です。
特定の食べものを体がアレルゲンと認識することで免疫が過剰に反応してしまい、アレルギー症状を引き起こすことが原因です。
最も強い反応では、アナフィラキシーショック(血圧低下による意識もうろう、顔面蒼白など)という命に関わる状態になってしまいます。早急な治療を要するため急いで受診しなければなりません。

乳幼児期の3大原因食材は、卵・牛乳・小麦です。

アレルギー検査と、正確な診断の重要性

当院では、血液検査+院内経口負荷試験を実施し、その結果にもとづいて経口免疫療法(少量から食べ続けて慣らしていく治療)を行なっています。食物アレルギーの適切な診断と治療は、お子さまとご家族の生活の質を大きく向上させます。

例)「□□」を食べて症状が出た!

→状況から食物アレルギーを疑ったら、まず血液検査を実施し特異的IgE抗体価を測定します。
  しかし、血液検査の結果だけでは、“食べると実際にアレルギー症状が出るのか”、“どの量までなら安全に(症状なく)食べられるか”は分かりません。
  そこで、「経口負荷試験」を行います。

食物経口負荷試験ってなに?

院内(医師の監察のもと)で、決まった量のアレルゲン食品を食べて症状が出るかどうかを確認する検査です。上記検査から、出来るだけ安全な量を予測して行います。

もし症状が出た場合は検査を中断し、症状の治療を行います。アナフィラキシーを起こさないような量で実施していますが、もしアナフィラキシー“ショック”となった場合には連携医療機関へ紹介入院していただきます。

アレルギー検査が高値、アナフィラキシーの既往があるお子様はリスクが高くなるため、初めから入院できる医療施設で負荷試験をすることを考え、紹介させていただきます。

経口免疫療法:安全に食べて慣らす治療

負荷試験で確認した安全量を継続摂取することで、体に慣らしていく(免疫寛容)治療法です。
食品そのものを食べるはもちろんですが、少しでもご家族の負担を少なくできればと、市販されている加工品も取り入れられるよう案内しています。
3-6ヶ月単位で負荷試験をして段階的に増量し、日常摂取量を食べても症状が出ないことを継続的に確認できれば、保育園(幼稚園)や学校給食での除去解除を考えます(治療ゴール)。
体調不良時、激しく運動した時には、普段食べられる量でもアレルギー反応が出る場合もあり、慎重に判断します。
ごく少量でアレルギー症状が出るお子様では除去解除が難しくても、誤食によるアナフィラキシーが起こらないようになるなどの効果が期待できます。

ぜひ、一度ご相談ください。